
PRESIDENT INTERVIEW
世界中のハイレベルな観光地・施設の中から、品質で選ばれ続ける企業になるための一環として、トレニアを導入しました。 多様な価値観が共存する組織において当初は反対の声もありましたが、会社が信念と覚悟を持って取り組んでいることが伝われば、従業員の皆もきちんと応えてくれます。
沖縄でマリンレジャー事業を展開する株式会社シーサー様。創業40周年を機に「価格ではなく品質で勝負する」方向へと舵を切り、その根幹となる「当たり前のことを、当たり前にできる組織づくり」に取り組まれています。導入当初は反対の声や低い入力率に直面しながらも「やめる選択肢はない」と続けてこられた背景について、代表取締役の稲井様に伺いました。
トレニア導入当初から一貫して「当たり前のことを徹底する」大切さについてお話しいただいています。稲井様が「当たり前のこと」を重視されている背景や理由をお聞かせください。
私たちのミッションは、より多くのお客様に「シーサーがあってよかった」と言われるサービスを提供することです。そのためには、挨拶やお客様への心遣いといったマナーに加えて、社内における報連相の徹底など、「当たり前のことができること」が欠かせないと考えています。例えば、電話でいただいた要望が別の担当者に引き継がれていなかったり、当日来てみたら事前に聞いた内容と違っていたりしたら、お客様をがっかりさせてしまいますよね。そういったことがなく「シーサーを選んで良かった」と言っていただける思い出を提供できてこそ、お客様の満足とリピートにもつなげることができます。そのためには、「当たり前のことの徹底」は本当に不可欠なことなんです。
トレニアを導入した2023年は、当社の創業40周年という節目の年で、会社として、ブランド価値を高め、価格ではなく品質で勝負する方向へと舵を切ったタイミングでもあります。この「ブランド価値」とは、単にスローガンを掲げたりお金をかければ作れるものではありません。当社を選んでくださったお客様との約束を守り続けること、つまり「当たり前のこと」が徹底できてこそ、高まっていくものだと考えています。ところが、この「当たり前のこと」こそが難しく、すぐにできるようになるものではありません。特に、会社の規模が大きくなりスタッフの人数が増えていくと、知らないこと・できないこと・わからないことも人によってさまざまです。そうしたなかで、一人ひとりが、当たり前のことを当たり前にできるようになるためには、時間をかけて教育していく必要があると痛感していました。この業界はもともと期間雇用やアルバイトが多いのですが、数年前から正規雇用を増やし、時間をかけて人材を育てていく流れをつくっています。そうした中でトレニアを見つけて、これこそ求めていたものだと感じました。
海外からのお客様や、外国籍の従業員の方が多く、非常に国際色豊かな環境ですが、そうした中で、特に意識されていることはありますか。
世界的に見て日本の労働環境は非常に恵まれていますが、国内だけに目を向けていると、その価値にはなかなか気づきにくいものです。そして、この恵まれた環境に甘んじてしまうと、危機感や競争意識が薄れてしまう側面があると感じています。世界に目を向けると、マリンレジャーに限らず、ハイレベルな観光地や施設が無数に存在します。私たちは、それらすべてと競合する厳しい市場競争の中に置かれています。そうした中で我々が選ばれるためには、一人ひとりが当たり前のことの重みを実感し、着実に実践していくことがより一層求められます。しかし、その認識を揃えるのには多大な時間が必要です。また、外国籍の従業員が多く、多様な価値観が共存することもあり、より丁寧なアプローチと時間が必要になります。
「当たり前のこと」を定着させていくうえで、最も大切にされていることを教えてください。
耳に優しい言葉ばかりでは人は成長できないという現実に向き合い、厳しいことを粘り強くきちんと伝えることです。当たり前のことの中には、頭ではわかっている、やろうと思っているのにできないことが少なくありません。すぐに身につくものではないからこそ、「できていないよ」「ちゃんとやろう」と、時間をかけて、粘り強く伝え続ける必要があります。ただ、それを人が伝え続けるのは負担が大きいので、いまはトレニアが大きな助けになっています。
導入当初は、社内で反対の声があったり、入力率がなかなか上がらない時期もありましたが、「やめる選択肢はない」と、取り組み続けていただきました。
トレニアを「やりたくない」と感じるのは、自然なことだと思います。耳に痛い厳しい現実を問いかけてくるものですから、心地よくないのは当然です。 ですが、従業員を大切にするというのは、単に待遇をよくすることだけではなく、覚悟を持って社会の現実を伝えることでもあると考えています。 また、「やりたくない」という声が挙がるのは、「当たり前のこと」への意識にバラツキがあることの表れともいえます。簡単だと思っておろそかにしていたり、出来ていると思っていて出来ていなかったり、人によって「当たり前」の認識が異なっていたりもします。 つまり、「やりたくない」という声が出るからこそ、トレニアに取り組む必要があるのです。 そもそも、会社で新しい取り組みを始めるときには、ある程度の時間がかかるものです。 トレニアを導入した当初から3割の従業員はしっかり取り組んでくれていましたから、あとはそれを少しずつ広げていけばいい、継続すれば必ず改善していくという確信を持って取り組んできました。
「クイズに正解できているのに、なぜ続けるの?」「正解できているなら、やらなくても良いのでは?」という声をいただくこともあります。
その答えは非常にシンプルで、「正解はしているけれど、ちゃんとできているのか」という点に尽きると思っています。トレニアで取り上げられる話題は、「挨拶をちゃんとする」「従業員としての義務を果たす」「報連相は早くする」といった、仕事をする上での基本です。ですからほとんどの人がクイズには正解できます。しかし実際には、「できていないよね」ということが起こります。「知っている」「わかっている」ことと、「できている」ことは全く別で、だからこそ地道に、根気強く続けていくしかないと思っています。
「できていない」と伝え続けるのは、負担が大きいですよね。
そうなんです。気長に続けるしかないのですが、それを人が直接伝えるのは大きな負担になります。その「負担」には3種類あります。1つめは「同じことを言い続ける負担」、2つめは「厳しいことを言う負担」、そして3つめは「当たり前のことを指摘する負担」です。そしてこの3つの負担はそのまま、言われた側にも置き換えられます。同じことを注意され続けるのは辛いですし、当たり前のことができていないとミスやトラブルにつながって、また叱られてしまうという悪循環に陥りがちです。その点でトレニアがありがたいのは、同じことを何度も言わなくてよくなることです。実際、「できていない」と指摘する機会は、導入前と比べて大きく軽減されました。「ここに書いてあるよ」と伝えるだけで済むので、伝える側の負担も緩和されます。毎日こうした内容を私や管理者から言い続けるのは簡単ではありません。また、トレニアのコンテンツは、AIに作れるような内容でもないですし、その向こうには多くのユーザーがいて、全国の様々な企業で日々起きている現実をもとに、人の手で責任をもって作られているものなので、安心してこの役割を任せられます。
最後にメッセージをお願いします。
組織も個人も、「どうすれば受けがよいか」「こう言えば喜んでくれるだろう」「こう言えば支持されるだろう」と、耳あたりが良い言葉ばかり言っていては、そこで成長が止まってしまいます。事実や数字に基づいて判断し、信念を持って決めたことであれば、「やると言ったらやるんだ」という覚悟を持たないとだめなんです。そして、信念と覚悟を持って取り組んでいることが伝われば、従業員もきちんと応えてくれるものです。だからこそトレニアも、「なんとしてもこれは絶対にやりきるんだ」という思いで続けてきました。会社が存続する限り、トレニアを続けていこうと思っています。
本日はお忙しいなか、ありがとうございました。
