横浜市営地下鉄の駅近くで365日診療、夜間の緊急対応も行う大型歯科医院。診療チェア39台、スタッフ約80名。 「"働くこと”に対する意識を揃えて、皆が気持ちよく働ける医院にしていきたい」と歯科医師で組織管理主任の渡部真麻様。 トレニア導入から1年を振り返って、お話を伺いました(2025年3月27日)。
― 歯科医院として、とても規模が大きいことに加えて、診療体制も特徴的ですね。
虫歯治療から鎮静麻酔下での治療まで、幅広い診療を行っているほか、365日体制で夜間の急患にも対応しています。 スタッフは約80名で、非常勤のスタッフもいますので時期によっては100名を超えることもあります。 研修医や新卒・未経験者など若手の育成に力を入れるとともに、職種に応じて週休2. 5日制や希望シフト制を導入するなど、働き方にも配慮しています。
― トレニア導入の背景を教えてください。
当院は1990年に開業し、院長である父が現在の規模と体制を作りました。 私は入職して13年ほど経ちますが、年々、医院の規模が大きくなるにつれて、理念やルールを定着させることの必要性を感じるようになりました。 人が増えれば背景や価値観も多様になるため、明確な「基準」が必要になります。 一般企業に勤めている知人の話を聞くと、会社が理念やルールを明確に提示・浸透させているようで、当院にはその点でまだ、改善の余地があると感じていました。 また、若手ドクターはいずれ独立・開業することがほとんどですが、私達が求めたいルールは当院に限ったものではなく、仕事に対する心構え、周囲とのコミュニケーションなど、どこでやっていくにも大事なこと、独立したら患者さんからも直接、求められるようなことです。もちろん、日々の診療でドクターとスタッフが連携をとるうえでも欠かせません。独立までの限られた期間であっても、一緒に働く以上、意識を揃えて気持ちよく働きたいという思いもあります。しかし、世代の近い私から伝えるのは距離感が難しく、どのように伝えていけばよいのか悩んでいました。 そんな中、知人からトレニアを紹介され、私個人からではなく「一般的に大切なこと」として伝えられれば、みんなも受け入れやすいだろうと期待しました。
― 導入時に工夫されたことはありますか?
全員に、しっかりと共有したかったので、「トレニアの入力を評価対象にします」と明言し、定着できる方向に持っていきました。 当院は体育会系のメンバーが多いこともあり、あえてこうしたスタイルをとったほうが始めやすいだろうと考えました。 トレニアのクイズはしっかり読むほど良い内容なので、仕事のなかで様々な経験をしていく中で、意義を感じてもらえることがあると信じています。
― とくにどのようなクイズがお役に立っていますか?
遅刻や有給に対する考え方、職務専念義務など、労務のクイズは様々な切り口で紹介されていて、とてもためになると思っています。 インターネットなどでは知識が偏ったものになったり、エビデンスが不確かな情報も多く、誤解から不満につながってしまったり、 特に若手ドクターは、いずれ独立して雇用をする側になったときに知識がなく、困ってしまうケースもよく耳にします。 こういった労務関連の話は通常、問題が起きた後、当事者を対象に伝えることが大半だと思いますが、その場合、伝える側も受け止める側も、辛い思いをすることになってしまいます。 そうなる前に、日常のなかで「知っておける」ことは非常に有意義だと感じます。
― その他のカテゴリのクイズは、いかがでしょうか?
マナーのクイズも、患者さんに対する言葉づかい、取引先とのやりとりなどに活かせます。 また、報連相など業務遂行の話題は特に響きやすいようです。「なんとなく」だったことがトレニアで言語化されたことで、行動指針になってきています。 自己啓発的なクイズも、本を読む機会が減っているいま、こうした文章に触れる機会があることは貴重だと考えています。
― 導入当初と比べて変化したことはありますか?
開始から1年経って、医院の雰囲気が以前より落ち着いたと感じます。勉強会の要望が出るなど、モチベーションの高まりを感じることもあります。 また、1人ひとりの反応を見て「こういうことを大事だと思ってくれているんだな」と分かったりすると、嬉しかったり、改めて親近感が湧くこともあります。
― 最後にメッセージがありましたらお願いします。
人手不足のいま、条件のよい求人や、働く人の権利に関する情報があふれています。 もちろん、条件や権利は大切なことですが、氾濫している情報のなかには、耳障りがよいだけだったり、エビデンスがなかったり、ミスリードを誘発するものも少なくありません。 また、時間や情報の流れが早くなったことで、短期的な損得やコストパフォーマンスが目に見えやすくなりました。 ですがそれは同時に、「すぐに目に見えないもの」の大切さを感じづらくさせてしまう側面もあります。 もし、エビデンスの無い情報に惑わされたり、時間を掛けて積み上げていくことが非効率に感じられてしまったら、本人の長期的なキャリア形成にマイナスになってしまいます。 そうなってしまうことがないように、働くことの原則や、時間を掛けて成長していくことの大切さを理解し、偏りのない知識を持って、前向きに過ごして欲しいと思っています。 こうしたメッセージは、入社時など改まった場面では伝えることができますが、日常的に伝えるのは難しいものです。 これを日常的にフラットに伝える手段として、トレニアが大きな一助になってくれています。 歯科治療などの技術の向上は「手を動かすこと」「毎日続けること」が大切です。 社会人としての普遍的な考え方やスキルも同様に、トレニアを毎日続けることで高められると感じています。
― 本日はお忙しいところありがとうございました。