産学共同研究

尾崎由佳教授
東洋大学社会学部社会心理学科 教授
  • 一般社団法人日本経験サンプリング法協会 代表理事
  • 学位:博士(社会心理学)東京大学大学院
  • 著書:自制心の足りないあなたへ
      -セルフコントロールの心理学 ちとせプレス

トレニアは働く人々の学びと行動実行をサポートし、よりよい職場環境づくりのために役立ちます。

尾崎教授のコメント

トレニアの特長は、社会人基礎力について学ぶばかりではなく、実際に行動することを促す効果があることです。じつは、わたしたち人間には「知っているけれどもできていない」ことがよくあります。 たとえば、お客様への丁寧な対応や、職場での適切なコミュニケーション、上司・部下との関係構築などは、だれもがその大切さを知っていることと思います。 しかし、あらためて「できていますか」と尋ねられると、全員が自信をもって「できている」と答えられるわけではないでしょう。 そういえば最近おろそかにしていたかもしれないと気づくことや、もっと意識して取り組もうと気持ちを新たにすることがあるはずです。 つまり、トレニアを通じて、ふだんの自分のふるまいや今日一日の取り組みをふりかえることができ、そこから大切な気づきや反省が生まれ、行動改善がもたらされます。 このように行動を促す効果は、わたしの専門である心理学の研究手法とデータ分析からも明らかになりました(研究成果)。 ときには厳しく導き、ときにはそっと背中を押すように、トレニアは働く人々の学びと行動実行をサポートし、よりよい職場環境づくりのために役立ちます。


論文掲載

東洋大学社会学部社会心理学科 尾崎 由佳教授との産学共同研究により、Japanese Journal of Experimental Social Psychology(実験社会心理学研究)に論文が掲載されました。

尾崎教授のサイト /  J-STAGEリンク


要約(和文)
目標プロンプトの使用が望ましい組織行動の促進に有効であるかを検証するために,フィールド研究が行われた。国内企業の就労者82名が実験に参加した。 1ヶ月の研究期間中,各勤務日の始業時に,スマートフォンアプリを通じて行動目標(組織における望ましい行動の描写)が参加者に呈示された。 終業時には,その日の始業時に呈示されたもの(プロンプトあり)と呈示されていないもの(プロンプトなし)各1つ,計2つの行動について,1日を通じた実行の度合いを自己評価するよう求められた。 マルチレベル分析の結果,プロンプトがなかった場合と比較して,プロンプトのあった望ましい組織行動の実行度がより高く報告された。 これらの結果に基づき,組織行動を改善するためのプロンプトの使用について,その理論的・実践的意義を考察した。